牛乳とは? −基礎知識−
基礎知識の牛乳とは?編です。
まず、牛乳とは、牛の乳から出た汁です。
牛乳の中でも、生乳、加工乳、脱脂粉乳など、さまざまな種類があります。その中でも、牛乳と呼ばれる飲み物は、生乳100パーセントのものだけを言います。実際に、店頭で私たちが牛乳と呼んでいる飲み物を見てください。多くは加工乳と書かれているはずです。これは、正確には牛乳(生乳100パーセント)ではありません。別の飲み物です。
牛乳と表記できる飲み物には決まりがあり、無脂乳固形分8パーセント以上、乳脂肪分3パーセントという成分の決まりがあります。こうした決まりがないと、生乳1、水9でも牛乳と呼べてしまうから、こんな厳しい決まりが設けられました。以前は、もう少し優しいきまりでしたが、食品衛生法やら、食の安全やらが厳しくなってきたので、設けられたようです。他の食品なんかも、アレルギー対策で何が使われていて、賞味期限から消費期限と変わったりしたのも、これの影響です。牛乳も、その影響を受けたといってしまっていいでしょう。それと、牛から取れる生乳ですが、もちろん牛の体調によって、どんな味、どんな成分かも変わってきます。それを考慮してということでもあります。
この名義変更で悩ましいのが、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳などです。牛乳と呼べるものは成分の決まりがあります。もちろん、牛乳とついているので、牛乳に対する成分のハードルは越えなくてはなりません。ですが、ほとんどの製品は超えていません。そこで、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳とは名乗れなくなってしまったのです。今は、どうしているかは、わかりません。コーヒー加工乳で変なので、コーヒー牛乳飲料のような、ギリギリのラインの名義だとは思いますが・・・。
牛乳の歴史は古く、紀元前2500年ころのメソポタミア文明で、乳絞りの浮き彫りが発見されました。乳を搾っているということは、飲んでいたのでしょう。他にも、紀元前2050年ころのエジプト文明でも発見されています。これはおそらく、人間は昔から牛の乳を飲んでいたということで、間違いないと思います。
日本では、650年ころ中国から、牛乳は渡ってきました。正確には乳製品ですので、類似品かも知れません。平安末期まで宮廷で飲まれていたという記録があります。その後、江戸中期までは牛乳を飲んでいたという記録はありません。ですが、江戸中期で牛乳は復活しました。徳川吉宗が目をつけ広まっていきました。ここでも、広まったのは、おそらくお城のお偉いさんだけだったと思います。牛乳は高級品で一般庶民では手が届かなかったのでしょう。それを一般化したのは、明治になってからです。明治の文明開化とともに牛乳は広まり、一般庶民でも手が出せる飲み物になりました。よくよくは、学校給食でも出されるほどの地位となり、栄養、成分ともに認められていきました。
その結果、世界中で飲まれ、そのまま飲む以外にも、チーズ、バターといった加工品や、スープ、グラタン、鍋にも入れてしまうほど、使用用途は多岐に渡ります。